陥入爪と巻き爪は似ているようで、実際には仕組みが違います。見分けを誤ったまま市販薬や自己流のケアを続けると、炎症がひどくなったり化膿につながったりして、症状が重くなることもあります。この記事では、両者の違いを理解することから始め、起こりやすいトラブルや症状が進んだときの目安を整理しました。さらに、どの診療科に相談すればよいか、保険が使えるかどうか、セルフケアで気をつけたいポイントまでまとめています。
陥入爪とは?巻き爪との違い
陥入爪と巻き爪は混同されやすい症状ですが、症状の起こり方や痛みの原因が根本的に異なる別の状態です。
陥入爪とは、主に足の親指の爪の端が皮膚に食い込み、炎症や強い痛みを引き起こす状態を指します。爪の角が皮膚を直接傷つけるため、赤みや腫れが出やすく、悪化すると肉芽の形成や化膿につながるのが特徴です。
一方、巻き爪は爪自体が横方向に内側へカーブし、筒状に変形していく状態です。皮膚に食い込んでいなくても、変形が進むことで指を圧迫し、痛みや違和感を生じることがあります。
陥入爪は「爪の角が皮膚に刺さっている状態」で、巻き爪は「爪が異常に湾曲している状態」。この違いを押さえておくと、自分の症状を正しく判断しやすくなります。
陥入爪は何科に相談するべき?
入爪は、炎症の強さや進み具合、再発の有無によって相談すべき専門機関が変わってきます。市販薬や自己流のケアでごまかそうとすると、かえって悪化してしまうことも少なくありません。症状の状態をしっかり見極めて、その段階に合った医療機関で相談することが大切です。
①皮膚科:赤み・腫れ・化膿があるとき
爪の周囲が赤く腫れて膿がにじむ、触れるだけで強い痛みがあるときは、まず皮膚科に行くのが安心です。必要に応じて抗生物質の内服や塗り薬で炎症を抑えてもらえるので、早めに診てもらうと悪化を防げます。爪そのものよりも皮膚の赤みや膿が気になるときは、皮膚科を選ぶのが適しています。
②形成外科:爪の矯正や手術などを必要とするとき
炎症が落ち着いても爪が深く食い込み続け、歩くたびに痛むようなときは、形成外科に相談すると安心です。爪の形を整えたり、一部を取り除く小さな手術を行うことで、再発を防ぎながら快適に歩ける状態へ導いてくれます。重症化してからでは生活に支障が出やすいため、痛みが長引くなら早めに相談したほうがよいでしょう。
③整形外科:骨格の歪みなどを含めて改善したいとき
炎症や爪の形の問題だけでなく、足の骨格や歩き方に原因がありそうなときは整形外科が適しています。外反母趾や扁平足などがあると、特定の指に強い負担がかかり、それが陥入爪の引き金になることも少なくありません。整形外科ではレントゲン検査や歩行のチェックを行い、必要に応じてインソールの作成や正しい歩き方の指導をしてもらえます。痛みを和らげるだけでなく、再発しにくい環境を整えるための「根本的な改善」をめざすなら、整形外科での相談が有効です。
陥入爪を専門家に相談するタイミングの目安
陥入爪は、放置すると症状が進行し長引く恐れがあるため、悪化させないための早期の相談が重要です。ここでは、セルフケアの限界を知り、医療機関に相談する具体的なタイミングの目安を段階別にご紹介します。
赤み・腫れ・痛みが強くなってきたとき
陥入爪は初期の段階であっても、痛みや赤み、腫れといった炎症が日ごとに強くなっていると感じたときが、専門機関へ相談を検討する最も早いタイミングです。
この時期は細菌感染に至る前の重要な段階であり、抗炎症薬の処方や医師による適切なケアを受けることで、症状の進行を抑えられる可能性があります。
爪の食い込みによる軽いチクチク感から、靴を履いたり歩いたりすると強い痛みに変わってきた場合は、自己流のケアは控え、早めに専門家へ相談するのが安心です。
膿が出る・化膿が長引いているとき
爪のまわりから膿が出ていたり、炎症が化膿の段階まで進み、数日経っても落ち着かない場合は、速やかに皮膚科などの専門機関へ相談しましょう。
化膿は細菌感染が起きている証拠であり、そのまま放置すると感染が皮膚の奥に広がり、蜂窩織炎といった重い病気へ進展する危険があります。
爪の脇から黄色っぽい液体や膿が出ている、触れると強い熱感を伴うような状態であれば、専門家による抗菌薬の投与や排膿の対応が必要です。
爪が食い込み歩くのがつらいとき
爪の食い込みによる痛みで普段通りに歩けなくなっている状態は、早めに根本的な対応を考えるべきサインです。
痛みによって歩き方をかばうようになると、膝や股関節、腰といった全身の骨格に歪みが生じ、別の痛みや不調を引き起こす二次的な問題につながる可能性があります。
食い込み部分の痛みが強く、足を引きずって歩いている、あるいは特定の靴しか履けない状態が続いている場合は特に要注意。爪の矯正や外科的な対応など、根本的な原因にアプローチする施術を検討する時期といえるでしょう。
繰り返し症状が出てセルフケアで改善しないとき
一時的に炎症が落ち着いても、「また痛みが出てきた」と繰り返すようなら、セルフケアだけでは限界に近づいているサインです。深爪や合わない靴などの原因が残ったままでは、炎症はいずれ再発してしまいます。
そのまま放置すればするほど症状が強くなり、歩行に支障をきたすほど悪化するケースも少なくありません。再発を防ぐためには、生活習慣や爪の形そのものに関わる根本的な要因を見直し、専門家に相談することが大切です。
陥入爪は保険の適用対象になる?ならない?
陥入爪は基本的に健康保険の対象になりますが、施術内容によっては自費になるケースもあります。皮膚の炎症や感染症として扱われるため、塗り薬・飲み薬の処方や爪の一部切除手術、抗生剤の点滴などは保険適用の代表例です。
一方で、ワイヤーやプレートを用いた爪の矯正は保険が効かないことが多く、費用負担が大きくなる可能性があります。特に巻き爪矯正は自費になるケースが多いため、施術前に保険の可否や総額を確認しておくことが重要です。
陥入爪の肉芽は自分で取れる?セルフケアの注意点
陥入爪でできた肉芽は、自分で無理に取ろうとするとかえって悪化させてしまうことがあります。
肉芽は、爪の食い込みによる刺激や炎症が続いた結果、皮膚が余分に盛り上がってできる組織です。血管が多いため少し触っただけでも出血しやすく、強い痛みを伴うことも。さらに家庭で清潔を保つのは難しく、細菌感染のリスクを高める原因になります。
特に避けたいのが「食い込んだ部分を深く切り取る」行為です。一瞬は痛みが和らいでも、残った爪の角がさらに鋭く皮膚に食い込み、重症の陥入爪や巻き爪につながるケースが少なくありません。
すでに肉芽がある場合は、皮膚科など専門機関で対処してもらうのが最も安全で確実です。
広島周辺で陥入爪にお悩みの方はセラピストプラネットにご相談ください!
この記事では、巻き爪との違いから、悪化したときに起こりやすいトラブル、診療科の選び方や保険の仕組み、そして日常で取り入れたいセルフケアの工夫までを紹介しました。症状を放置すれば歩行困難や感染に発展することもあるため、早めの対処が大切です。
セラピストプラネットでは、巻き爪施術をはじめとする専門資格を持った先生が各院に在籍しています。もし現在、広島周辺で陥入爪にお悩みの方はセラピストプラネットにお気軽にご相談ください!
