爪のまわりが赤くなって腫れたり、ズキズキとした痛みを感じたりする炎症。ささくれや小さな傷が原因のこともありますが、細菌やカビの感染、体調の変化などが関係しているケースもあります。
症状が軽くても、放っておくと悪化するおそれがあるため注意が必要です。この記事では、爪に炎症が起こる主な原因5つと自分でできる対処法、気をつけたい症状のサインを解説します。
爪の炎症とは
爪の炎症とは、爪やそのまわりの皮膚に赤み・腫れ・熱っぽさ・痛みなどの症状があらわれる状態を指します。とくにズキズキとした痛みや、触れるとピリッとしみるような感覚が特徴です。
炎症が起こりやすい部位は、爪の根元(甘皮のあたり)や両端、先端の皮膚との境目など。これらの部分は日常的に刺激を受けやすく、小さな傷ができた隙間から細菌が入り込んだり、真菌(カビ)が繁殖したりすることで炎症が起こることがあります。
軽い炎症では赤みやむくみ程度で済みますが、症状が進むと膿がたまったり、爪の形が変わってしまうことも。炎症を繰り返すうちに、爪が波打ったり、厚くなったりするケースも見られます。
こうした状態は自然に改善することもありますが、違和感を覚えた時点で早めに対処することが大切です。
きっかけは?爪の炎症を引き起こす主な原因
爪の炎症は何気ない日常動作やクセなど、さまざまなきっかけで起こります。ここでは代表的な原因を2つ紹介します。
巻き爪・陥入爪
「巻き爪」とは、爪の両端が内側に巻き込むように変形した状態。一方「陥入爪」は爪の形が正常でも、爪の端が皮膚に食い込んでしまう状態を指します。深爪や誤った爪の切り方などが巻き爪・陥入爪を引き起こす要因とされており、どちらも爪が皮膚に強く当たることで赤み・腫れ・強い痛みを伴います。
さらに、皮膚が傷ついた部分から細菌が侵入すると、炎症や化膿を引き起こすリスクも。放置すれば症状が悪化し歩行が困難になることもあるため、早めのケアが重要です。
外傷(ぶつけた・挟んだなど)
爪の炎症は「家具の角に指をぶつけた」「ドアに挟んだ」「重いものを落とした」など、日常のちょっとした衝撃が引き金になります。
強い衝撃を受けた直後は、爪の下に血がたまって黒ずんで見える「内出血」や爪が浮いたり割れたりするなどの異変が生じることも。そのままにしていると、傷口から細菌が入り込み、赤み・腫れ・膿を伴う炎症へ進行する恐れがあります。
外傷によるトラブルは、目立った異常がなくても数日後に症状があらわれるケースも多いため、しばらくは注意深く観察することが大切です。
放っておくと危険! 爪の炎症にひそむ病気
症状が一見軽く見えても、炎症の背後に思わぬ病気が潜んでいることもあります。ここでは、爪まわりに炎症が起きたときに疑われる代表的な疾患を紹介します。
爪周囲炎
「爪周囲炎」とは、爪のまわりの皮膚に炎症が起こる病気です。とくに手指の根元や横側に赤み・腫れ・押したときの痛みが出やすく、細菌感染によって発症することが多いとされています。
家事や水仕事で皮膚がふやけた状態が続いたり、ささくれや深爪などから細菌が入り込んだりするのが主な原因です。初期は軽い違和感程度でも、悪化すると膿がたまり皮膚の奥に炎症が広がることも。症状が続く場合は注意が必要です。
ひょう疽
「ひょう疽(ひょうそ)」は、指先や爪のまわりに強い炎症が起こる感染症のひとつです。
爪の周囲にズキズキとした激しい痛みや腫れがあらわれるのが特徴で、原因の多くは黄色ブドウ球菌などの細菌とされています。こうした菌は、小さな切り傷から体内に入り込むことで感染を引き起こします。
初期段階では、皮膚の表面が赤くなったり熱を帯びたりする程度ですが、進行すると膿がたまり、腫れがひどくなることも。場合によっては指を動かすのが困難になるほど痛みが強くなるケースもあります。
まれに炎症が深く広がって関節や骨にまで影響を及ぼすことがあるため、自己判断で放置せず症状が続く場合は早めの対応が大切です。
カンジダ性爪炎
「カンジダ性爪炎」は、カビの一種であるカンジダ菌によって起こる感染症です。水や洗剤を扱う機会が多い人や、爪の根元がふやけやすい人に多く見られます。主な症状としては、爪の根元が赤く腫れたり、押すと痛みを感じたりすることが挙げられます。
また、爪が白っぽく濁って厚くなるといった変化も特徴のひとつです。進行すると爪全体が変形したり、剥がれ落ちたりするリスクも潜んでいます。
グロムス腫瘍・皮膚がん
ごくまれではありますが、爪の下や周囲に腫瘍ができ、それが炎症のような症状を引き起こすこともあります。なかでも代表的なのが「グロムス腫瘍」と呼ばれる良性腫瘍です。針で刺されたような鋭い痛みを伴い、寒さに敏感に反応するのが特徴です。
さらに、黒い変色や爪の形の乱れが長く続く場合には「皮膚がん(悪性黒色腫)」の可能性も否定できません。いずれのケースも、発見が遅れると深刻な事態につながるおそれがあるため、「ただの炎症」と自己判断せず違和感が続くようであれば早めに専門機関へ相談しましょう。
自宅でできる!軽い爪の炎症に対するセルフケアとは
爪まわりに赤みや軽い痛みを感じたときは、早めに対処することで悪化を防げることがあります。ここでは、症状が比較的軽いうちに自宅でできるセルフケア方法をご紹介します。
清潔に保つ
まずは患部を清潔に保つことが基本です。手を洗う際は石けんを使い、爪のまわりについた汚れをやさしく洗い流しましょう。洗ったあとはしっかり乾かし、雑菌が繁殖しないよう水分を残さないことが大切です。
刺激を避ける
炎症がある部分にはできるだけ触れないようにし、絆創膏やガーゼなどで保護すると安心です。家事や水仕事をするときはゴム手袋を使い、洗剤などの刺激物が患部に触れないよう注意しましょう。
冷やす
赤みや熱っぽさが気になるときは、濡れタオルや保冷剤をタオルに包んで軽く冷やすのもひとつの方法です。炎症をしずめ、痛みをやわらげる効果が期待できます。ただし、長時間の冷却は避け、様子を見ながら短時間ずつ行いましょう。
市販の外用薬を使う
軽い腫れや赤みであれば、市販の消毒薬や抗菌軟膏を使うのも効果的です。患部に塗る際は清潔な手か綿棒などを使って、やさしく塗布してください。
爪の炎症を防ぐために!日常で気をつけたいポイント
爪の炎症は、日常生活で少し意識を変えるだけで予防につながります。とくに大切なのが、手や足を清潔で乾いた状態に保つこと。手を洗ったあとは、タオルやペーパーで水分を丁寧に拭き取り、爪の間までしっかり乾かすようにしましょう。
また、爪を噛んだり、ささくれを引っ張ったりするクセがある人は要注意です。こうした行為は皮膚を傷つけ、細菌が入り込みやすい環境をつくってしまいます。無意識のうちにやってしまう場合は、意識的に見直すことが大切です。
ネイルやジェルを頻繁に繰り返していると、爪や爪まわりの皮膚に過度な負担がかかることも。ときには休ませる期間を設けて、自然な状態に戻すことを心がけてみてください。
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